どうも、これを読んでくれている方はこんばんは!駄作者、楼座です!今回はリア友であり同級生、占ツクでは先輩にあたる奏御と小説を書きます!いやぁ。まさか初合作がリア友とは…。やり始めたときは … 司波達也生来の魔法は「分解」と「再成」で、これらの高度な魔法が待機しているためそのほかの魔法は一切使えなかった。 魔法関係の豊富な知識と技術、忍術や体術は、彼自身が欠損を補うため、ひたすら努力して身につけてきた結果である。 サトシ大好き!!!愛してる!! みたいな人間です(笑) こっそり携帯サイト運営してます!. The novel "四葉の精神構造実験" includes tags such as "司波達也", "四葉真夜" and more. 飛行魔法 7. 3. これは、原作には持ち得ない恋愛感情が『魔法科高校の劣等生』司波達也に宿っていたら、というもしもな二次小説作品です。恋愛感情がある達也だったら、を実現するためだけの転生設定ですが、そのせいで、司波達也のステータスはカンスト状態と言ってもいいのではないでしょうか。 連続高速魔法補助走行 - 移動魔法と加速魔法の複合魔法、走行時間10分程度、上り坂平坦舗装路で速度60km/h、一歩のストライド約10mで、極めて肉体的負荷が大(*78)。舗装の少なくとも一部が … 一応パソコンからも見れますが、形崩れるんで携帯推奨です。 サトシ愛をもっとーにシンサト、ポケサトメインにのろのろ亀並み運営です。 でも実は雑食。ジャンル関係なしにそのとき夢中の… バリオン・ランス 2. 「それにしてもよくわかったね。司波なんてそう珍しい苗字でもないのに」 達也のこの言葉に、三人の少女は小さく笑みをこぼした。 「達也、司波は十分珍しい苗字だと思うよ?」 「あたしも深紅に同意見」 しかし、その笑みの色合いは随分と違う。 アストラル・ディスパージョン? 司波達也、恋の季節(? 『一高』『試験』と言えば、今年度は忘れてはならない重要人物がいる。 そう、実技はからきしダメなくせに理論はぶっちぎりで一位を取った、まあ何ともアンバランスな自称劣等生こと、司波達也のことである。 評価:b原作:魔法科高校の劣等生ジャンル:再構成主人公:女オリ主投稿サイト:ハーメルン国立魔法科第一高校にとある兄妹が入学した。司波達也と司波深雪である。兄を兄妹以上の感情があるのではないかと錯覚するほど、ブラコンな深雪であったが、その感情 第一高校の入学時には17歳の二科生で、クラスはE組。 両親ともに日本人の4月生まれ。 容姿は自己評価で「標準以上、中の上くらい」という程度の平凡さ。 主人公。国立魔法大学附属第一高等学校の一年生。年子の妹の司波深雪とは同級生。 The Official Digital Toolset for Dungeons & DragonsFandom may earn an affiliate commission on sales made from links on this page.ペーパーテストではトップの成績を記録したが、評価の主体となる肝心の魔法実技の項目で成績が悪かったことから、平凡な成績の者が所属する「二科生」として入学。最初は「劣等生」として蔑まれていたものの、友人に恵まれた他、彼の特異な才能を見出した周囲の評価により、徐々に認識 … 司波達也の彼女ですけど? 今日:22 hit、昨日:36 hit、合計:212,542 hit 小 | 中 | 大 | どうも、これを読んでくれている方はこんばんは! 達也と深雪の自宅にその電話が掛かってきたのは、ブランシュ事件から数日が経った晩、そろそろ明日に備えてベッドに入ろうかと2人が思っていたときのことだった。, 現代社会では電話の機能も持った携帯端末がほぼ100パーセントの割合で普及し、ほとんどの人はそれを使って電話をするので、自宅の電話に掛けないどころか自宅に電話が無いことも珍しくない。, しかも今回の電話は、通常の回線とは別物の“秘匿回線”を用いて掛けられたものだった。通常のそれとはセキュリティが段違いであるそれを使うということは、盗聴の類を仕掛けられると非常に困るような内容を伝えようとしていることを意味する。, テレビ画面に映ったのは、ほとんど黒に近い色合いのロングドレスを身に纏い、異性を妖しく惹きつけずにおかない妖艶な魅力と、思春期の少女を連想させるような可愛らしさという相反した印象を同居させた女性だった。, その隣に寄り添う達也も、彼女ほど表には出さないものの、画面に映る女性をまっすぐ見据えている。, 名字に“四”が含まれている四葉家の現当主であるが、四葉家は単なる“数字付き”の一員というだけではない“特殊な事情”がある。, 一口に“数字付き”と言っても、その全てが平等の立場というわけではない。“二十八家”という頭一つ抜きん出た存在である家系が28存在し、さらにその中から4年に一度行われる会議で選ばれた10の家系を“十師族”と呼ぶ。日本の魔法師達が所属するコミュニティの頂点に君臨する十師族であるが、四葉家は七草家と並んで一度も十師族選定から落ちたことが無く、いわば“日本最強の一族”と表現しても差し支えない。, 「………ブランシュのアジトを潰しに行ったのは深雪のガーディアンとして今後の憂いを絶つためにやったことです」, 『心配せずとも、それについて別に咎める気はないわ。既に脅威を排除したのなら今後も純粋に学生生活を楽しんでくれたら嬉しいです』, 深雪がそう言って頭を下げるのに合わせて、達也も真夜の映像に向けて頭を下げた。しかし2人共、彼女がそれだけの話で電話をしてくる性格でないことは重々承知であり、どのような“本題”をぶつけてくるのか気になって仕方がなかった。, 『さてと、今回電話したのは実はそれだけじゃないの。報告にあった彼のことについてよ』, 日本だけでなく世界でもその名を恐れられている“四葉家”の当主であり、本人も“世界最強の魔法師”の一角に顔を並べている彼女が彼の話をするとなれば、余程のことだ。, 『とても面白い子ね。自分は直接手を下さずにテロリストたちを誘導して自滅に追い込むなんて………深雪さんたちくらいの歳でそんなことができるのは世界でたった二人しかいないと言っても過言ではないわ』, 「……クラスメイトになって一か月以上経ちますが、普段から手を抜いてるような分、奴の力量を測ることがかないません」, 『達也さんが警戒するのも無理はないわね。けど心配せずとも別に四葉家に対して不利益な存在というわけではないのよ。むしろ逆と言っても良いわ。もしもその子の身に何か困ったことが起きたとき、できるだけあなた達も力になってほしいと思って、こうして電話を掛けたのよ』, 真夜の話を聞いていて、達也はますます訳が分からなくなった。彼女の言葉の端々から、彼に対して好印象を持っていることが明らかに伝わってくる。普段は自分の感情を表に出すことのない彼女からしたら、それは非常に珍しいどころの騒ぎではない。, 「かしこまりました……ところで、叔母上は彼のことを存じてるのでしょうか?それに先程おっしゃっていた”二人しかいない”というのはもう一人が誰かも?」, 頭部にサポーターをつけ、こぼれ球に向かって猪のように突進するレオ。すぐ近くにエリカがいれば間違いなく爆笑し、本人が聞けば間違いなく顔を顰める、そんな感想を抱きながら、オレは一般科目の一つである体育の授業を受けていた。魔法の授業に関しては教師をつけてもらえない二科生だが、こういった魔法に関係無い授業のときには魔法師でない一般の教師がつけられる。, 今行なっているのは、”レッグボール”と言われるフットサルの派生競技だ。大まかなルールはフットサルとほぼ同じだが、フィールドを透明な壁や天井で囲み、反発力を極限まで高めた軽量ボールをそこにぶつけて反射させながらパス回しを行うという点で大きな違いがある。箱の中ということもあり跳ね返ったボールなども駆使してゴールを決めるのもありであった。, ちなみにオレは争いを好まないため、目立たぬよう前線には出ずに後ろで緩やかについて行ってる。, 見事にボールを拾ったレオがディフェンスの間を縫うように強烈なパスを出した。ボールは誰にも止められることなく、中盤で待ち構えていた達也へと迫る。, シュート性の勢いのあるパスであったが、達也はそれを真上に蹴り上げることで勢いを殺し、天井から跳ね返ってきたところを綺麗に抑えると、味方の中で唯一フリーとなっている前線の選手に向けてさらにパスを出す。, レオほどではないものの、かなりスピードの乗ったパス。やや強すぎると思ったが、前線のその生徒は走りながら自分に向かって飛んでくるボールをチラリと見遣ると、即座に立ち止まって絶妙な足捌きでそれを受け止め、そのままゴールに向かってボールを蹴り飛ばした。キーパーが反応して動こうとするが、1歩目を踏み出す頃には既にボールはゴールネットに吸い込まれていた。, 予想外の動きを見せた吉田に素直に感心していると、同じように前線で感心したようにレオと話をしていた達也が、飛んできたボールを上段回し蹴りで相手ゴールに蹴り返していた。, そして、その後もオレの出番がないまま達也たち三人の攻めによって、対戦相手のF組は一点も取ることが出来ぬままE組の圧勝に終わった。, 吉田幹比古のゴールでフィールドが喧騒に包まれる中、レオが感心したように声をあげ、達也は無言でそれに同意した。, 一学期も終わりに差し掛かっており、達也もレオもクラスメイトの顔と名前くらいは把握している。だが二人共その相手とは話した事が無かった。, 直近の筆記試験において二科生ながら司波兄妹に次ぐ3位の成績を叩き出した彼は、現代魔法が誕生するよりも前から受け継がれてきた古式魔法、その中でも“精霊魔法”と呼ばれる秘術を伝承する吉田家の直系だ。兄をも凌ぐ才能を持った麒麟児として将来を期待されていた彼がなぜ補欠扱いの二科生となっているのか謎だが、先程の動きを見ても体術においてはその名に恥じぬ技術を備えているようだ。, とそこで横からもう一回もの凄い勢いでレオからのパスが来て、達也はそれを上段回し蹴りでゴールに叩き込んだ。, 試合が終わり見学ゾーンに移動したオレたち三人は、集団からやや離れたところに腰を下ろしていた吉田に労いの意味も込めて声をかけた。, 「分かった。それじゃ、これからは“幹比古”と呼ぶぜ。俺のことも“レオ”で良いからな」, オレたちの言葉に気安気な口調で答えた吉田改め幹比古は、少し気恥ずかしそうな表情を見せた。, 理論分野で一位と三位、傍目には筆記試験で優秀な成績を修めた2人が互いを意識していると受け取れるが、本人達の思惑はそれとは少し別のところにあるようだ。, 「それに、シンヤとレオとも話をしてみたかったさ。なんと言ってもあのエリカにあれだけ根気良く付き合える人間は珍しいからね」, その質問に答えたのは、隣のグランドで同じく体育の授業を受けていたエリカだった。その後ろには、美月の姿もある。, 「知り合ったのが十歳だからね。幼馴染と呼べるかどうか微妙なとこだと思うよ。それにここ半年くらい、学校の外でまったく顔を合わせてなかったし。教室じゃずっとさけられてたしね」, この学校、運動着は上下共に長袖のジャージなのだが、何故かエリカは下のジャージをはいていないように見える。代わりに現在下に着用している運動着は、股下ぎりぎりまで裾をカットしたものだった。数十年前の大規模な寒冷化の名残で肌を露出したファッションをあまり好まない現代においては珍しいものだ。, いやそれ以前にエリカの引き締まった太腿、綺麗な素肌が惜しげもなく顕わになっており、思春期真っ只中の青少年には目に毒すぎる。現に一人は顔を真っ赤にしながら陸に上げられた魚の様に口をパクパクとさせ、一人はフリーズ状態、一人は特に反応なしであった。, ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべるエリカはオレの反応を見て面白がってる。勘弁して欲しい。そこに達也が救いの手?を差し伸べてきた。, 「あのね達也君、いくらアタシだってスコート無しでアンダースコートは穿かないわよ。これはねブルマーって言うのよ」, 「ブルマーって言うとあれか、昔のモラル崩壊時代に女子中高生が小遣いほしさに親父共に売っていたと言う……」, 顔を真っ赤にしてレオの向こう脛を蹴り飛ばすエリカ。華麗に決まった一撃に脛を抑えて悶絶するレオであったが、その一方、蹴りを入れたエリカの方も片足を抑えてぴょんぴょんと跳ね回っていた。, 「ふ~ん、何の雑誌を読んだんだか…………動きやすいかなって思って履いてみたんだけど、あんまり効果は無い感じなんだよね。脚をほとんど露出してるから怪我しやすいし、失敗だったかも」, 「いや、エリカがあんな格好をしてたのに二人とも顔色一つ変えずにエリカと会話していたのが不思議に思ってね」, 達也、それ思いっきりブーメランだからな。あっいや時々小さく愛想笑いを返してるから違うか。, 「………ま、オレはあまり感情が表に出にくいタイプかもな。そういう達也は自分の妹で慣れてるからあれくらいじゃ動じないんだろうが」, 「ああ、新入生総代の司波深雪さんか。初めて見た時はこんな綺麗な子が存在するのかと思ったよ」, 「冗談はよしてくれよ!あんな人と付き合えるとしても、緊張しちゃって会話すら出来ないよ」, 「まあそうだろうな。それ以前に彼女はかなりのブラコンっぽいし、付き合うには難攻不落のお兄様を倒さなきゃいけないしな」, 幹比古は、古式魔法の名門、『精霊魔法』に分類される系統外魔法を扱う吉田家の直系で、一年前までは神童と呼ばれるほどの実力があった者だ。, 吉田家の中核的術法である喚起魔法にいたっては、次期当主である兄を既に凌いでいると評価されていた。, 入学したばかりの二科生でありながら、一科の上級生を次々とねじ伏せて見せた力を持っている。, エリカとよく会話をする彼は顔立ちは整ってるが存在感が薄く、人畜無害な印象であったため『力』を求める幹比古にはあまり興味がなかったが、ブランシュ襲撃事件でシンヤがテロリストたちと戦ってる姿をたまたま精霊魔法を通して視認したとき、彼は度肝を抜かれた。, 乱戦と化してる中、彼は敵意も、当然殺意すらもなく、ただただ無表情に機械的にナイフを持った相手に魔法無しで撃退する。汗もかかず息切れもせずに仁王立ちしてる彼の後ろには、一瞬『死神』が見えた。, コミュニケーションがあまり得意ではない幹比古が一人休憩していたときに達也とレオと共に近づいてきたのが、シンヤだった。, 表情、声音、筋肉の動き、目の中なかにも注意深く観察しなくとも、わかる箇所は多数存在する。, シンヤだけでなく達也の方にも興味を持っている。魔法無しで並み居る上級生を薙ぎ払い、テロリストを撃退するだけの力を如何やって手に入れたのかを知りたい。, だから幹比古は、達也とシンヤ、レオを戦わせてみたかった。そして自分も達也とシンヤと戦ってみたいと思っていた。, 達也たちが生徒会や風紀委員に入ってから、生徒会室で昼食を摂ることが習慣となっていた。深雪は生徒会の仕事をするため、達也はそんな彼女の付き添いで来てる。また、真由美や摩利などの上級生を交えながらの談笑は退屈しないため、今のところはその習慣を変える予定は無い。, しかしその日の昼食会は、いつもなら率先して話題を振って雰囲気を良くしてくれる真由美が時折箸を止めては深刻そうに溜息を吐いているため、あまり会話も弾んでいなかった。, 「ええ、九校戦のことでね。選手の方は十文字くんの協力もあって何とか決まったけど、問題はエンジニアの方なのよねぇ……」, 「元々ウチって魔法師の志望ばかりで魔法工学の人材が少ないから、代表エンジニアの選出は毎年悩みの種なのよ。今年はあーちゃんや五十里くんがいるからまだマシだけど、それでも頭数が全然足りない状況なの。私や十文字くんがカバーするとしても限度があるし……」, 「おいおい、おまえ達は一高でも主力選手だろ? 他の選手にかまけて自分が疎かになったら元も子もないぞ?」, 常に冷静沈着な態度で表情を崩さない、生徒会会計担当、リンちゃんこと市原鈴音に再三要請しているのだが、彼女は首を縦には振らなかった。, 机に突っ伏した真由美を見て、達也はアイコンタクトで深雪に合図を出した。このまま生徒会室に居ると自分に都合の悪い展開になると分かっていたからだ。そして腰を浮かしかけたところで、達也の勘は的中した。, 拳を握った後、端末に向かって唸っていたあずさからの提案に、真由美はそんな声を出した。そして達也は浮かせかけた腰を椅子に戻したのだ。この状況では逃げ出せないと諦めたのだ。, 「司波さんのCADは司波君が調整してるようですし、一度見せてもらいましたが一流メーカーのクラフトマンにも勝るとも劣らない出来でした」, あずさの言葉が徐々に浸透したのか、ゆっくりと立ち上がったのに言葉の勢いはもの凄いものだった。, 「そう言えば風紀委員の機材も達也君が調整してるんだったな。使ってるのが本人だけだったからすっかり忘れていた」, 当の本人を置いてけぼりに事態がみるみる進んでいく光景に、さすがの達也も焦りを隠し切れない様子で口を挟む。, おそらく予測してたのだろう、真由美と摩利が即座に息の合ったコンビネーションでそれを否定した。, 「CADの調整はユーザー、つまり選手との信頼関係が必要不可欠です。全員が一科生である選手から反感を買うような人選は如何かと思うのですが」, 「ダイジョーブだって。風紀委員のお仕事も、何だかんだ言ってちゃんとやってるでしょ。それに昔から言うでしょ。『やらないで後悔するより、やって後悔する方が良い』って!」, その言葉は相手を説得するには少々不適切では、と達也は思わなくもなかったが、風紀委員という前例を持ち出されると彼としてもなかなか反論しづらい。未だに達也が風紀委員であることへの不満は聞こえるものの、当初と比べればその勢いはほとんど無いようなものだ。強いて挙げるとするならば、未だに同級生の森崎が何かと食って掛かる程度だろう。, 深雪からこうして“お願い”されてしまったとあっては、達也としても折れざるを得ない。, ウインクしながらそう言った真由美に、達也はもはや何も言えなかった。今更何を言ったところで、達也に退路は残されていないのだから。, その後の放課後、九校戦の準備会議で達也の代表入りに他の代表選手(一科生)から反対の声が上がったが、CADの完全マニュアル調整を披露し、服部副会長を含んだ一高の重役たちの一押しもあったことで、めでたく達也は九校戦メンバーに選ばれたのだった。, 部活連本部での会合を終え、深雪と帰路についた達也は嬉しそうな深雪の姿を見て少し呆れ気味だった。ついさっき結果が出たばかりだと言うのに、もう深雪に情報が伝わってるのが分かったからだ。, 正確にはエンジニアなのだが、深雪の中では達也は九校戦のメンバーになっているのだ。大まかに言えばエンジニアも確かにメンバーではあるので、あながち間違っていない深雪の解釈を如何したものかと悩みながら家に着いた。, 妹のハシャギっぷりに呆れながらも、それでも優しい笑みを浮かべる達也は、やはりシスコンなのかもしれない。, 達也としては、あの場面で手を抜く事だって出来たのだが、調整機の前に立つと(座ると?)ついつい手を抜く事など考えられなくなってしまうのだ。彼が普段調整してる相手は深雪なのだから、手を抜くなんてありえないのだから。, 食事を終え、深雪が片付けをしている時に端末に通信を知らせる合図が来た。相手は非通知だが、司波家にとってこれは別に珍しい事でもないので達也は躊躇うことなくそれを取った。, そうして画面に映し出されたのは、日焼けや火薬焼けによってなめし皮のような顔をした中年の男性だった。画面に映る上半身だけ見てもその体はよく鍛えられ、しかもそれは見る者が見ればスポーツの類で身に付いた筋肉でないことが分かるものだった。, 『簡単では無かったがな。特に特尉の家のセキュリティーは、一般家庭のわりには厳重過ぎる』, 「サーバーの深くまでアクセスしようとしなければ、クラッキングシステムは作動しないはずなんですがね」, 軽い挨拶(と呼ぶにはどうにも薄ら寒いものを感じるが)もそこそこに、風間はさっそく本題に入った。, 『本日“サード・アイ”のオーバーホールを行い、部品を幾つか新型に更新した。それに合わせて、ソフトウェアのアップデートと性能テストを行ってほしい』, 『……私がこう言うのも何だが、高校に入ってますます学生らしくない生活のようだな。――それでは、明朝にいつもの場所へ。本官は立ち会えないが、真田に話を通してある』, ――代表入りが決まってまだ数時間しか経っていないんだが……、いったいどこから……?, 自分に対する呼び方が変わったことに、達也の目が僅かに細められた。それは上官ではなく旧知の者としての警告を意味し、それは軍の情報を一介の高校生に与えることを意味している。, 『九校戦会場である富士演習エリアに不審な動きがある。国際犯罪シンジケートの構成員らしき東アジア人の目撃情報も出た。時期的に見ても、奴らの狙いは九校戦で間違いないだろう』, 九校戦ともなれば、将来有望な魔法師が一堂に会することになるだろう。もしそこでテロ事件でも起きれば、人材的な被害は相当なものになるに違いない。, 『壬生の報告によると、香港の犯罪シンジケートである“無頭竜”の下部構成員ではないかということだ』, その人物はおそらく、壬生紗耶香が退院するときに顔を合わせた彼女の父・壬生勇三のことだろう。内閣府情報管理局の外事課長として国際犯罪組織を担当している彼ならば、そのような情報を手に入れたとしてもおかしくない。, そしてそれを風間に話すということは、2人は個人的な繋がりがあるということを意味している。それも、機密情報を遣り取りできるくらいに深い繋がりが。, 『それと、こちらもここだけの話なんだが…。達也の報告にあったクラスメイトをこちらでも調べてみたんだが、残念ながらプライベートデータ以上のことはなにも出てこなかった』, 『あぁ、藤林も完全にお手上げ状態だ。まるで幽霊を追いかけているようだとぼやいてたよ』, 「幽霊とはまたオカルトな表現を。まあ、魔法はかつてはオカルトの類いわれてたので否定はできませんが」, 『フ、確かにな。おっと、長話が過ぎたようだ。部下が焦っているから、そろそろ切らせてもらう。詳しい話は現地でしよう。九重師匠にもよろしくと伝えてくれ。それでは』, 至って冷静に、しかし慌ただしい口調で風間がそう言い残し、電話が切られた。もしかしたら、ネットワーク警察にでも回線割り込みの尻尾を掴まれたのかもしれない。, 風間の最後の言葉は八雲に今の情報を伝えておけと言う事だと理解した達也は、僧籍にある八雲に何処まで話して良いものかと悩むのだった……。. 水蜘蛛 4. ■動画リスト [~1:30] 第1期OP。 [~2:14] 入学早々、生徒会副会長を一発で撃破。 [~3:50] 「魔法の不適正使用」をしたとされる先輩複数名をたった一人で相手取り、制裁を加える。 [~5:12] 「エレメンタルサイト」を使用して校内に侵入した敵の位置と数を捕捉。 後、武術も併用しながら敵を戦闘不能にする。 [~6:17] 敵陣に乗り込んだお兄様がまたもや「エレメンタルサイト」を利用し敵を補足する。 お兄様の力によっ … あてんしょん 幼児科もの こんなの達也じゃない!という方はバックしましょう キャプション必読!! 司波達也は困っていた。 高校の入学式で首席である妹の付き添いとして登校し、2科生という理由で1科生の生徒から煩わしい視線を浴びる。 これだけなら司波達也という男は特に気にせず、自分は2科生だからと割りきっていただろう。 . 小説:魔法科高校の劣等生 司波達也暗殺計画 著者 佐島勤 イラスト 石田可奈 出版社 kadokawa 掲載誌 佐島勤 official web site レーベル 電撃文庫 連載期間 2018年8月12日 - 刊行期間 2018年10月10日 - 巻数 既刊3巻(2020年1月現在) 小説:続・魔法科高校の劣等生 著者 1. 小説検索 ; ランキング ... の端々から、彼に対して好印象を持っていることが明らかに伝わってくる。普段は自分の感情を表に出すことのない彼女からしたら、それは非常に珍しいどころの騒ぎではない。 ... 司波達也 … 司波達也、彼には六歳以前の記憶がない。 記録もどこにも存在せず、六歳以前の彼のことを知る人物はどこにもいない。 彼はどこにいても、異端な存在だった。それは高校でも。 だが彼が国立魔法大学付属第一高校に入学してから、人生は一変する。 ゲートキーパー 6. 元は無料のWeb小説であったため、長い間公式ビジュアルのない状態のまま、想像によるイラストが投稿されていた。 しかし2011年4月9日発売の『電撃文庫マガジン』誌上において、妹の司波深雪と共に公式ビジュアルが付けられた。 深雪に「お兄様」と呼ばれていることから、作品のファンの間でもほぼ「お兄様」で通じる。 (半ば揶揄する意味も含む…かもしれない) 『一高』『試験』と言えば、今年度は忘れてはならない重要人物がいる。そう、実技はからきしダメなくせに理論はぶっちぎりで一位を取った、まあ何ともアンバランスな自称劣等生こと、司波達也のことである。, 叔母が山梨の本宅で荒ぶり、従弟(いとこ)が将来のお嫁さん候補の家でイチャイチャし合っている頃、一高の入学試験で理論一位を取った彼は「テスト?そんなことオレには関係ない」と言わんばかりにテスト勉強そっちのけでニュースサイトを閲覧していた。定期試験まで一週間を切ったというのにリビングでくつろぐというこの余裕。やはり天才は頭の出来が違うのだろうか。, だが、なにも暇潰しにリビングにいるわけではないらしい。海外のニュースサイトが表示された画面を食い入るように見る彼の目はまさに真剣そのもの。最愛の妹である深雪を守護する『ガーディアン』とは違う、【ループ・キャスト・システム】を完成させた稀代の天才魔工師『トーラス・シルバー』としての顔が出ていた。ニュースサイトに表示されていた断片的な論文データを読んで彼は物思いに耽る。, 「確かにあれも永久機関に近いものだからな。三大難問に拘らず、永久機関を製造してエネルギー問題の解決させるには一番の近道。しかし魔法式の保存方法が分からなければどうしようもない。だがそれを古式魔法で補うとは……こうなればオレも忍術以外の古式魔法を学ぶべきか」, 『錬金術とか面白そうだな』とこっそり一人で盛り上がる十五歳の青少年。ニュースサイトにある文だけでなくFLTに送られた永久機関の製造方法データにも目を通し、古式魔法と現代魔法の融合に未知なる可能性を感じるマッドサイエンティスト。心なしか強い感情など失っている自分の胸に熱いなにかが沸き上がって来るのがわかる。それは『やる気』という言葉でもあり、『対抗心』と表せられる感情だと彼は知らない。, 思い立ったが吉日。よしでは早速、とディスプレイを操作して学校の教科書、ではなく自身が進めている【重力制御型熱核融合炉】研究用のファイルともう一つ推し進めている【常駐型重力制御魔法】用のファイルを呼び出す。彼自身の最終目標としている熱核融合炉の研究はまだまだ実現には程遠いが、常駐型重力制御魔法(飛行魔法)はあと一歩のところまで来ている。細かいところのプログラミングがまだ終わってないため、やりきってしまおうと思ったのだ。学校の定期試験?そんなものは頭の中からとっくに抜け落ちている。, ファイルの読み込みが終了し、飛行魔法のファイルを展開してさぁ打ち込もうと思った矢先ーー彼のいるリビングの扉が開いたのを彼は知覚した。, この家にいるのは彼の他にもう一人しかいないので、振り返るまでもなく扉を開いた人物を当てられる。, 展開した研究用のデータを閉じ、自室からやって来た達也自慢の妹、司波深雪が彼にそう言う。妹の誘いを重度のシスコンである彼が断るはずもなく、達也はそのままリビングに隣接しているキッチンに向かった深雪が、挽きたてのコーヒーとお菓子を乗せたトレーを運んでくるのを待った。, 良いところだったのに、とは達也は言わない。彼にとって妹との時間は、何よりも優先すべき事柄なのだから。, 一口、二口と二人一緒に無言でコーヒーを楽しむと、深雪は兄の顔を見て話題を振ってみる。, 「ところでお兄様、先程は端末でなにを見ていたのですか?なにやら盛り上がっていたようですが」, 深雪の発言に達也はさっきまでの自分の言動を思い返す。まるで、子供のように(と言っても十五歳は法律上から見てもまだ子供だ)はしゃいでいた自分の姿を見られていたことに彼は気恥ずかしさを覚える。意識せずに低いトーンで話してしまったからだろう。兄の機嫌を損ねたと捉えたのか、深雪は慌てて達也に謝った。, 「も、申し訳ございません!あの、お兄様が珍しく興奮なされているようだったので、つい耳を立ててしまい……」, 俯いて上目遣いに自分を見る妹に達也は、いつものように頭を撫でる。こちらもまた、いつも通り目を細め心地よくなってしまう。しばらく二人でそうした後、達也は深雪への回答として空中でディスプレイを再度展開し、先程見ていたニュースサイトを表示させた。, 「つい一時間ほど前に牛山さんから連絡があってな。お昼には日本にも流れるだろうが、海外の学会でこんなものが発表されたんだ」, 周囲から『枯れている』との評価をしばし受ける彼を熱中させた理由(わけ)。イギリスの大手新聞が周囲に先んじていち早く乗せたその記事(英語表記、日本語ルビあり)を深雪は読む。長文かつ難解そうな内容だったが、その記事はこんな見出しで始まっていた。, 【CIL華宮(カグラ)副所長、【マクスウェルの悪魔】の開発に成功。夢の永久機関創造へ一歩前進】, なんだか難しそうなテーマとサイトに乗っている開発者だという写真。目元を覆い隠す機械帽を被った一人の少女の姿が、そのサイトにはあった。, 「あぁ、【Countered Irregular's Laboratory(対名詠生物総合研究所)】。【International Magic-skilled holder agency(国際魔法師派遣会社)】と並んで《対名詠生物》といえばすぐにその名前が出てくる有名研究所だ。刻印儀礼をはじめとした非情報体、例えば精霊とか名詠生物のような存在に対抗する技術に関しては随一と呼ばれる研究所だな。, お前ももう知っているだろうが、現在魔法師が名詠式で名詠されたものに事象改変を行えるよう、特殊な仕様を施してある刻印儀礼入りのCADはこの研究所でのみ製造されている。だから研究所としての面の他に、企業としてはその方面での対応をまだ得意としていない各国の警察組織や軍、少し変わったところでは英国の『王立首都警護近衛騎士団』のような組織で高く評価されている、新進気鋭のCAD製造メーカーでもある。, そして、このサイトに写っているのがそのCILの現副所長の華宮氏。現所長の冬夜が現在休業中だから、実質CILトップの、【電子・魔法工学の鬼才】と呼ばれた女性研究員だよ」, 達也が機嫌よくサイトを見つめながらそう言う。普段家族として一緒に生活しているが、ここまで機嫌の良い兄の姿というのは深雪でも中々見られない、レアな光景だ。可能なら兄のこの微笑を写真に収めてアルバムに収めてしまいたいが、カメラも何もないので諦める。ニュースサイトに載っていた記事を一通り読み終えると深雪は兄がこの記事の何に興味を示していたのかが分かった。, 「【マクスウェルの悪魔】……。永久機関というと、お兄様が開発を目指している【慣性無限大化による疑似永久機関】に関するものですか?」, いくら兄が天才魔工師であるといっても、深雪も達也と同じぐらい魔法工学に長けているわけではない。一般的なコンピュータやディスプレイの操作設定ぐらいの扱いは彼女も心得ているが、『永久機関』やら『マクスウェルの悪魔』やら、そういった少し深く調べないと知りようもない知識に彼女は無縁だった。マクスウェルの悪魔など、今聞くまで全く知らなかったワードなのだ。, しかし達也は、マクスウェルの悪魔がどういったものなのか知っているがために、深雪にも理解しやすいものだと分かったうえでーーこの時彼は『そういえばもうすぐ定期試験だな』と思い出したーー深雪に復習がてらクイズを出すことにした。, 「じゃあ簡単に説明しよう。深雪、永久機関の説明をする前に【熱力学の第二法則】について簡単に説明してごらん」, 「『エネルギーに常に一方向に流れ、反対方向には流れない』……例えば、電気で水を暖めることは出来ても、温水から直接電気は作り出せない、ですよね」, 「その通り。【エネルギー保存の法則(エネルギーの総和は常に一定で、状態が変化しても変化前後でのエネルギーの総量は変わらない)】と並ぶ有名な法則だ。現代魔法が真っ向から否定しているものでもある。, 特に『熱』というエネルギーは最も変化しやすく、いろんなエネルギーに変えやすい代表的なものだ。, では深雪、熱湯が入ったカップと冷水が入ったカップ。この二つを接触させたまま置いておくと、二つのカップにある水はこの後どうなる?」, さすがは優等生といったところか、達也の突然の質問に淀みなく深雪は答えてみせる。しっかりと基礎が身に付いているのを確認したところで、達也は本題に入った。, 「そう。温度差が生じているところはそれだけエネルギーが生じる。特にさっきのカップの例えを逆転させた魔法が【氷炎地獄(インフェルノ)】だ。均質になった気温を、わざと差が生じている状態にする。さっき言った熱力学の第二法則に反する現象だな。, では深雪、想像してごらん。温度差が違う二つの空気の部屋を隣接して設置する。当然、温度差が均一になるようにエネルギーの移動が起こるだろう。この時エネルギーを取り出すことは百年前でも可能なことだ。, もしもその後均一になってしまった二つの箱を、 (・)何(・)の(・)エ(・)ネ(・)ル(・)ギ(・)ー(・)も(・)使(・)わ(・)ず(・)元(・)の(・)差(・)の(・)あ(・)る(・)状(・)態(・)へ(・)延(・)々(・)と(・)戻(・)し(・)続(・)け(・)ら(・)れ(・)れ(・)ば(・)、無(・)限(・)に(・)エ(・)ネ(・)ル(・)ギ(・)ー(・)を(・)発(・)生(・)さ(・)せ(・)ら(・)れ(・)る(・)ん(・)じ(・)ゃ(・)な(・)い(・)か(・)?(・)」, 「そう、今いったソレがまさしく【マクスウェルの悪魔】。提言されてから長年科学者の頭を悩ませ続けてきたニクい奴さ。だが、ついに奴はこの華宮という科学者率いる研究チームの軍門に下ったらしい。, どんな研究方法でアレを作り上げたんだろうな……。この手の魔法を継続的に発動させるには魔(・)法(・)式(・)を(・)保(・)存(・)する技術が必要不可欠なんだが、それも作り上げたというのもすごいところだ。オレも【ループ・キャスト・システム】を作り上げたが、このレベルまでにはまだ達してないから、このニュースを聞いたときは驚いたよ」, 達也のこれ以上ないというほどの賞賛に深雪も驚愕してしまう。永久機関というシステムを作り上げることがいかに困難か、なんとなく感覚的でしかないが理解できた彼女は、もう一度ニュースサイトに映る華宮の顔を覗き見る。達也が苦心して作り上げようとしている【魔法式の保存技術】。それを彼女は如何にして作り上げたのだろうか?, 自分で考えてもわからないのは目に見えていたので、深雪は素直に達也に聞いてみることにした。, 「お兄様。お兄様も開発を目指している『魔法式の保存する技術』を、CILの方々はどうやって作り上げたのですか?」, 「牛山さんが転送してくれたデータによると、どうやら『魔導書の原典』にあるシステムを参考にしたようだね。オレもまだ詳しく見ていないから、あまり細かいところまでは理解できてないんだけど」, 「魔導書というと、確か、古式魔法の真髄が書かれた奥義書のこと……だったでしょうか?」, 「んー。確かに一般的な『魔導書』の説明としては深雪が今言ったことで正しいんだけど、今回の場合は『魔導書全般に共通する能力』だからな……。どう説明するべきかな……」, 深雪の不安げな質問に達也はどう答えるべきか考えあぐねる。達也が得意としているのはCADのプログラミングであって、本来古式魔法の理論は管轄外も良いところなのだ。術式さえ見せてくれるなら、それを理解して現代魔法風にアレンジしたり彼なりの工夫を加えることができるが、知識としても経験としても、各古式魔法に関わる事柄については『あまりよく分からない』というのが彼の率直な答えだった。, 正直に言えば、妹に誤った知識を吹き込んでしまうことは達也としては絶対にしたくない。だからここで『分からない』と言ってしまおうかと思ったが、自分を見つめて答えを待っている妹の疑問を解決するため、彼はたっぷり三秒ほど考えた結果、説明することにした。, 「--最初に言っておくが、オレは古式の専門じゃないから詳しいことはわからない。もしも魔導書関連のことが知りたかったら、師匠か冬夜のところに聞きに行ってくれ」, 「よし、じゃあオレがわかっている範囲内で話すよ。前に冬夜に聞いた話だと、どうにも古式魔法の奥義書、つまり魔導書の原典には、原典の写本や単なる魔法陣を書いた紙と違って、とある特別な性質が加わるらしいんだ」, 「あぁ、なんていうのかな。『その道の知識が詰め込まれた魔導書そのものが、その知識を後世に伝えるためのシステム』というべき機能がついているらしい。あまり多く解析が済んでいなくてアイツもあまり教えてくれなかったんだが、どうにもその中に【自己修復術式】らしいものが存在しているみたいなんだ。魔導書を燃やして灰にしても、刃物で切断しても完全に元に戻る魔法のようで、魔導書の中でもその術式が組み込まれているものは破壊することが出来ないんだそうだ。, 話を聞いた限り多分オレの【再成】と同じ魔法だと思うんだが、なぜ【再成】が魔導書の原典に組み込まれているのか、これ以上はオレにもよく分からない」, 以前会話の流れでで冬夜に聞いてみた『魔法式の保存』に関する知識。その時のことを正確に思い出しながら彼は説明を続けていった。深雪は、かつて自分の命を救ってくれたことのある奇跡のような魔法が、兄以外の存在にも使えることに目を丸くした。, 「だが、少し考えれば、案外不思議でもないのかもしれない。魔導書は文字通り魔法の知識が積み込まれたものだ。ルーン文字のような書く(刻む)だけで魔法的意味を持つものもある以上、記述されたそれらの知識が複雑に重なり合った結果としてそういう魔法的性質が付いてもおかしくなはい。, だけど重要なのはそこじゃない。重要なのは、いくつもの魔法的要因が重なると何の変哲もない紙の束そのものにもそうした性質が付与されて、自己修復術式のような魔法を自動で発動し続けるという点(・)だ。, 今回CILが開発した永久機関は見た目は冷蔵庫ぐらいのサイズの装置なんだけど、外周部分が百以上もの薄い層に分かれていてその一つ一つに刻印魔法が刻まれているらしい。一ミリのミスも許されない、かなり繊細な設計みたいだから実用化と販売はまだ出来ないみたいだけど、それでも魔法式を保存する技術を作り上げたのは間違いない」, 「うん。しかし仮にこれが実現すれば世界中のエネルギー問題は解決する。加重系魔法の三大難問は変わらず挑戦していくけど、発表される頃にはもう無用の長物になっているかもね」, 『先を越された』とでも本人の気づかないところではそう思っているのか、自嘲気味にそう笑って見せる達也に深雪は身を乗り出して否定した。, 「そんなことはありません!お兄様が製造した永久機関ならCILに負けないものが出来るはずです!いえ、むしろお兄様の作り上げた永久機関の方が、より良いものになっていると私は思います!!」, まだ出来上がってもいないのに自分を信じてそう言う妹に、達也は温和な笑みを浮かべて優しくその頭を撫でた。, だけど、やっぱりすごいな。さすがCILが誇る電子・魔法工学の鬼才。刻印儀礼だけでなくこんなものまで作り上げるとは、やっぱり一度会って話をしてみたいよ。本当に」, 「まぁな。魔法工学の分野では世界的に名前が知られている有名人だから、気になっているというのも嘘じゃない。人嫌いなのかどうなのか知らないが、彼女はあまり人と話さないらしいんだ。学会には出ても懇親会みたいな場では見たことはないと言われているぐらいで、彼女と話したことがあるのはホンの一握りらしいぞ?」, 達也は写真に写る華宮の姿をじっ、と見つめる。彼の脳内では今まさに『加重系魔法による疑似永久機関』を開発するにはどうすれば良いか、ものすごいスピードで思考が駆け巡っているのだが深雪はそれに気付かない。達也の肩に頭を乗せ、甘えている彼女としては、敬愛する兄の心を掴んでいる(と思っている)画面上の女のことが気になって仕方がなかった。, (こんな素顔を隠している方のどこがよろしいんでしょうか……。見た感じ雫と似たような体型だと私は思うのですが……。いや、それよりもお兄様はやはり頭の良い女性の方が好みだと分かっただけで良しとしましょう。彼女の素顔は後で黒崎さんに聞いて確かめれば大丈夫), ………だが、そうやってのんきにしていたのも本当にわずかな間だけ。すりすりと子猫のように達也に甘えていても反応が薄いことに気付いた彼女は、いつまでたっても達也がサイトの画面に映る女性研究員から目を離さないのを見て、感情メーターが一気にマイナスへ振り切ったのを自覚した。兄に悟られないよう、魔法で暴走する一歩手前で彼女はどうにか自分の心を抑える。だがそれにしても、彼女的には今の状況は面白くなかった。, (…………お兄様はよほど華宮さんのことが気になっているみたいですね。まったく、普段は女性には興味ないようなそぶりをしているくせになんでこんな……), あぁ、『デレデレ』がどんどん悪化していくのが分かる。なぜわずか数秒でこんなことになってしまうのか。まるで意味が分からない。幼少期より母親から淑女になるよう教育されてきた彼女にしては珍しく華宮のことを『気に入らない』と素直に思い、表情もブスッとした可愛らしくないものに変化していった。, 深雪の機嫌はどんどん悪化していく。そして『デレデレ深雪さん』が闇落ちし始めてわずか五秒後にはーー, (私のほうがお兄様のことなんでも知っていますのに……。頭が良いだけのくせして、この機械帽のどこが……), 『ヤンデレ深雪さん』がご登場。どうしてだろう、司波家の食卓はすべて彼女の手料理なのだが、今日は彼女に包丁を持たせてはいけないような気がする。なぜだか分からないが、とてもバイオレンスなことが起こりそうな予感がする。, しかし、そんな妹の変化には気づかない兄は、鼻歌でも歌いそうな上機嫌な口ぶりで、さらっと妹に話題を振った。, 「近く、この華宮っていう研究者を含むCILとIMAのメンバーが一高に来るらしいぞ。ほらここ」, 達也がサイトをスクロールさせて示した場所を、深雪が身を乗り出して確認する。生徒会所属の彼女でも知らなかったこととなると、どうやら教師陣が独自で進めていたことらしい。「交流会のこともあったし、この来訪に関しては全部教師陣がやったんだな」と達也は推察した。, 一方の深雪はそんなことを考えている余裕はないようで、必死で達也が示してくれた部分周辺の記事を読む。, 「『なお、今回現代科学の常識を覆した華宮氏を含むCIL・IMAの幹部は、近々日本の国立魔法大学付属第一高校に見学しに行く模様ーー』………え!?本当に一高に来るんですか!?」, 交流会後の寝耳に水なイベントの開催に彼女は動揺するが、達也はむしろ大歓迎といった雰囲気だ。基本トラブルやイベントには消極的な彼がここまでやる気を見せるのは珍しい。そんな兄の、無邪気な少年のような熱の籠った態度を見られたことに深雪は嬉しく思う反面、『華宮に合わせたくない』という醜い嫉妬の感情が正面衝突してどう返せばいいのか困り果ててしまう。他のことに頭が回らない。こんなことをここで言うのもなんだが、達也にとって深雪が一番のように、深雪にとっても達也が一番なのだ。, 他の生徒たちが試験範囲の復習に勤しむ中、自称劣等生と、自他ともに認める優等生の兄妹である司波兄妹は、『テスト勉強をしない』という暴挙に打って出たのである。.
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